第3章 部屋割り
ー錦戸sideー
「…で、こっちに来た訳やな。亮」
ジト、と言う言葉が似合う目のすばるくん。
「おん…そうやで。すばるくん」
「なんで逃げて来たん?」
そんな目ですばるくんは、尚も追及する。
「だ、だって…大倉と2人きりなんて…無理やもん…」
言葉の端が、情けないぐらい弱々しくなってしまう。
「ほんなら、大倉って今1人なんー?亮」
すばるくんの後ろから、呑気に尋ねるヤス。
「おん、多分」
「じゃあ、僕遊びに行って来よー」
………ハイ?
「え、なんで?ヤス」
「だって、1人って寂しいやん」
「おん、まぁ…」
それはそうやけど…。
「じゃ、行って来まーす」
ガチャッ、パタン。