第2章 特別企画
「…ら…て」
誰…?
誰かの声が遠巻きに聞こえる。
「お、大倉…起きてぇや」
段々と声がはっきり聞こえて来る…。
「「((ファイトやで!))」」
亮ちゃんの声にそっくりやな。
幻聴まで聞こえるなんて、ホンマ重症やな。
幻聴やと思うけと、一応…。
「ん…りょ…ちゃん…?」
「お、おん」
幻聴だと思って問いかけたのに…。
まさか肯定されるとは、思ってもいなかった。
…え?亮ちゃん⁉︎マジ⁉︎
ガバッ!
それが信じられなくて、すぐに目を開ける。
いや、信じられなくてと言うよりは本当かどうか確認したくて、やな。
「あ…」
すると目の前に居た亮ちゃんと思いっきり目が合う。
「え?」
亮ちゃんが驚く意味が分からなくて、思わず首を傾げる。
亮ちゃんが目の前に居る…。
夢が現実に…?
な訳ないよな。