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謎の子

第2章 関係


「ユカはリヴァイと違って逃げてきた子だから…
例え兵士になったとしても連れ去られる可能性があるよ」

「それがどうした」

リヴァイとハンジの会話をエルヴィンは静かに聞いていた。

「どうしたじゃないでしょ。
もし誘拐されたら…」

「俺が責任を持つ」

ハンジの言葉を遮る様にリヴァイは答えた。

「大体、お前は心配し過ぎだ。
あいつはそこまで弱く無い」

「でも女の子だよ?」

「だから何だって言うんだ?
正直実感は無いが…あいつは一応俺の妹だ。
俺が傍に居たら大丈夫だろ」

淡々と言うリヴァイを見てエルヴィンが口を開いた。

「確かにリヴァイの言う事も一理ある。
だが明日の訓練の結果次第では憲兵に引き渡す事にもなる」

「そうなるのは予測済みだ。
さっきあいつの顔を見て思ったんだが…」

リヴァイはそこまで言って次の言葉を言うか言わないか考えたが、言わないよりはマシだ。

「あいつの言う通り、立体機動は使いこなせるだろう」

「何を根拠にしたの?」

「足だ」

「…足?」

ハンジは何か考え込んだが直ぐに分かった様だった。

「もしかして…ベルトの跡があった?」

「ああ。
さっき寝巻きに着替える時に一瞬見えたんだが、くっきりとベルトの跡がついていた。
それも、俺と同じぐらいの濃さだ」

そう言うとエルヴィンは納得した様に話した。

「なら心配する必要は無さそうだ。
ベルトの跡が濃く残っているという事は、それだけ立体機動装置を使っていたという証拠にもなる。
それに使いこなせなければベルトの跡はリヴァイ並に濃くなる事は無いだろう」

それを聞いてハンジは頭を抱え込むが直ぐに顔を真っ直ぐリヴァイの方へと向けた。

「リヴァイ、今更だけど…本当に信じて良いの?」

「何を言ってやがる。
どれだけお前とここに居ると思ってやがんだ」

紅茶を全て飲み干してリヴァイは立ち上がりながら一言付け加えた。

「あいつはかなり腕がある。
明日になったら分かる筈だ」

それだけ言ってリヴァイは私室へと戻った。

「ハンジ、心配する事は無い。
リヴァイがあそこまで言うという事は確信がある証拠だよ」

「分かってるけど…やっぱ同じ女として心配なんだよね」

困った様に言うハンジを見て、エルヴィンは静かに笑った。
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