【DIABOLIK LOVERS/短編集/R18】
第1章 お前だけが欲しい【逆巻アヤト】
放課後。
アヤトくんは何処かへ行ってしまった。
いつもなら私の所に来るのに…
仕方ない、探しに行くか。
クラスの女子と話してたのも気になるし…。
『あ、アヤト居た……って……え?』
アヤトの姿を見つけたものの、中庭でクラスの女子を吸血している姿を見つけてしまった。
私にも吸血行為をしてきそうな時はあったけど、吸血をされる事を拒んでいたのは私だ。
けど、他の子の血を吸っている姿を見ると何だかモヤモヤする。
胸が苦しくなった。
「これでわかっただろ。もう俺に近付くな」
吸血を終えたアヤトは女子に一言呟けば、姿を再び消してしまった。
『アヤトくん…そんなに血が欲しかったのかな…。って…あれ?いない……はぁ、探す気無くなったし帰ろうっと………』
目を離してる隙にアヤトが居なくなりキョロキョロするも、さっきの光景が脳内を巡り何だか探す気力もなくなり帰ることにした。
学校を出ようと歩き出せば後ろから誰かに手首を掴まれた
。
「おい、どこ行くんだよ」
『ア、アヤトくん…!』
「お前教室にも居ねぇし、探す手間が掛かっただろうが」
『アヤトくんこそ…!どこにも居なかったから…もう帰ろうかなって思ってて…』
アヤトくんの顔が見れない。
直視できない。
「?なんだよ……」
『えっ…あ、何でもない!』
誤魔化すように笑いながらアヤトを見るが、きっと目が泳いでると思う。
「チッ…来いよ」
『え!?ア、アヤトくん!?』
いきなり手を引っ張られズルズルと引きずられるように歩き出した。