【DIABOLIK LOVERS/短編集/R18】
第1章 お前だけが欲しい【逆巻アヤト】
このままじゃアヤトくんに噛まれる…どうしよ。
そんな事を考えていれば聞き慣れた声がした。
「貴方達、何をしているんです?もう学校へ行く車が出ますよ」
次男のレイジさんだ。
学校へ行く車が出発するからと呼びに来てくれたらしい。
「チッ…邪魔しやがって…」
『ほ、ほら!アヤトくん行こ?車に乗り遅れたら歩きで行くようだよっ!』
「わかってるっつーの」
レイジの後に続き、学校行きの車が止まっている庭まで来ればいつものように乗り込む。
全員が揃えば学校へと車が走り出した。
「おい、名無し。学校着くまでの間血吸わせろ」
『はぁ?やだよっ…』
皆居る前で何を言い出すんだ。
「お前に拒否権なんてあるわけねぇだろ」
そう言って名無しの服に手をかけるアヤト。
それを見ていた次男が口を開く。
「アヤト。そうゆう事は部屋でと、何度言えばわかるんですか」
「うるせぇな…いいだろ別に」
「テディ、アヤトみたいな汚い奴にはなっちゃダメだよ…ふふ」
いつものようにテディに話しかけるカナト。
「お前もうるせぇんだよ」
『アヤトくん…落ち着いて、ね?後でたこ焼き作ってあげるから…!』
この雰囲気だと兄弟同士も喧嘩になりそうだからたこ焼きでアヤトを釣ることにした。