【DIABOLIK LOVERS/短編集/R18】
第1章 お前だけが欲しい【逆巻アヤト】
「今日こそ、アイツの血を頂いてやるぜ」
朝イチで名無しの部屋の前に来ているアヤト。
毎日毎日名無しの血を吸うことを試みるが…何故か奴は逃げる。
俺様の牙から逃れようなんて、うん数年早ぇんだよ。
「今日は逃がさねぇからな…ククッ」
一方…
『よし、髪も纏まっていい感じ。あ、そろそろ出なきゃ…』
時計を見れば家を出る時間。
アヤトが待ち伏せしている事にも気付かずに部屋の扉を開ける。
『えっ…?アヤトくん…?』
「よう、やっと出てきやがったか」
ドアを開ければアヤトの姿にヒヤリとする。
何故なら血を狙われているからだ。
私は昔から痛いことが苦手で…
牙なんて突き立てられたら絶対痛いに決まっている。
だから逃れてしまうが…私はアヤトくんに片想いをしている。
『ど、どうしたの?もう学校行かなきゃだよ…?』
挑発しないように気を付けて声をかける。
「そんなの関係ねぇ。今日こそ血をいただくぜ?」
『えっ…ちょ、待っ……!//』
名無しが逃げないように壁に追い詰めれば、手を壁に付ける。
所謂、壁ドンというヤツ。
「何だよ…顔赤くしやがって。ククッ…そんなに嬉しいのか?」
『う、嬉しくないよ…!早く退いてってば……っ』
好きな彼に壁ドンされて照れない女子など居ないだろうと、私は思う。
彼の胸板を押してみるものの、全くびくともしない。
「抵抗してんのもおもしれぇけど、俺様からは逃げられねぇよ」
『ち、近いよっ…!//離れて…!』
こんな至近距離にアヤトくんが…好きな人だもの。
ドキドキしちゃうのは当たり前だよね…