【DIABOLIK LOVERS/短編集/R18】
第2章 甘いものよりキミ【逆巻カナト】
「出来ました」
暫らくすればケーキの飾り付けが終わった。
出来栄えは可愛らしくて、まるでケーキ屋で購入した並である。
カナトくんって器用なんだなぁ…。
『可愛いね…!すごく!カナトくん、一緒に食べよ?食べちゃうの勿体無いけどね…』
「名無しさんを思って作ったんですから、食べてくれないと嫌です」
『ありがとう…嬉しいなぁ…//』
なんてゆう嬉しい言葉。
カナトくんが甘えてくれている証拠だ。
「美味しいです…とても」
『うん、美味しいねっ』
「…………」
ケーキを取り分けて食べ始めるも、何だか彼の様子がおかしい。
しょんぼりしているように見える。
『カナトくん…?どうしたの?』
「………僕…このケーキに嫉妬しました」
『…え?』
ケーキに嫉妬したと聞き動揺してしまう。
「このケーキを作るために、君は…僕から離れていたと思うと…悲しくなります…」
『だってコレはカナトくんの為に…』
「僕は名無しさんがいいんですよ…!ケーキや甘い物も好きだけど…やっぱり一番好きなのは君なんです。ねぇ、僕の気持ち…わかってくれる?」
そう言って彼は両肩を掴みながら真っ直ぐにこちらを見つめてくる。
「カナトくん…嬉しい…。私もカナトくんさえ居ればそれでいい…同じ想いだよ?」
ぎゅっと彼を優しく抱き締めてあげると、彼も背中に手を回してくれる。
「名無しさん…好き…僕のモノです…。ん…っ」
チュッ
少し身体を離せば唇に触れるだけのキスが降ってくる。
『ん…カナトくん…大好きだよ』
「ふふっ、嬉しいですよ…ケーキはもったいないので全部食べます」
『ありがとう、カナトくん。食べてくれると嬉しい♪』