【DIABOLIK LOVERS/短編集/R18】
第2章 甘いものよりキミ【逆巻カナト】
ケーキに生クリームを塗らせてとお願いすると真顔のまま何かを考えているカナト。
「クリーム…。あ、ケーキと生クリームを僕の部屋に持ってきてください」
『えっ?なら生クリーム塗ってから持っていくよ?』
「いいんです。生クリームとスポンジは別で」
『そ、そうなの…?』
普通ならばキッチンで焼いたスポンジに生クリームを塗って完成なのだが…何故か別で部屋に運べと言ってきた。
「僕が言ってるんですから。早くしてくださいね、部屋で待ってますから」
そう言って自室に戻ってしまった。
『…なんで別がいいんだろ……』
カナトの背中を見送りながら小さく呟いた。
コンコン…
『カナトくん?入るよ?』
ガチャ…
扉をノックし、中にいる彼に話しかけ中へと入る。
「持ってきてくれましたか?」
『あ、うん…これでいいかな?』
生クリームとスポンジが別になった状態でテーブルの上に置くと、満足そうに微笑むカナト。
「はい、これでいいんです。さ、名無しさん座ってください」
『あ、うん。失礼します…』
言われるがまま彼の隣に座れば、なにやらガサゴソと漁っている様子。
『カナトくん何してるの?』
「何って…クッキーを出しているんですよ」
『く、クッキー…?』
何故クッキー?
ケーキあるのに?
「ケーキにクッキーを飾りたかったんです」
そう言って、コビト型の可愛らしいクッキーを見せてきた。
『あ、そうゆうことか。カナトくん飾り付けしたかったんだね』
「はい。もっと美味しくなりますし…何より、名無しさんは可愛らしい方が好きでしょ?一緒に食べたいんですよ」
『カナトくん…ありがとう!カナトくんが飾り付けしてくれたらもっと美味しくなるね!』
「えぇ、もちろん」
生クリームを塗りながらクッキーを飾り付けしていくカナト。