第14章 生きるも生かすも・・・あなた次第です。 (吉原炎上編)
神「まさか・・・ほんとに・・・」
神威は傘をさしながら、驚いたようにして外を見た。
『だから言ったでしょ?銀時なら必ずやるって』
私も神威の隣に立ち、誇らしげに外を見つめた。
初めてこの街に来た時は・・・・・確か6つか7つだっただろう。その時は、この街に光が差し込む姿なんて想像できなかった。
光に嫌われた常世の街。その街に今、美しい太陽が昇っている。
銀時、アンタはすごいや。ほんとに・・・・・
『旦那の最後・・・・見届けてあげよう?』
誰よりも陽を嫌い、誰よりも陽を憎み、二度とこの目で見れないように、地下に潜った兎は。
誰よりも陽を待ち望み、誰よりも陽を愛し、誰よりも・・・焦がれていた。
夜兎の宿命であったがために、触れることも愛す事も許されなかった彼を、
どうか最後はあの下で、眠らせてあげてください。