第13章 正しい方を考えるのも、章名考えるのも難しい
『めでたし、めでたし・・・って訳にはいかないのよね~』
私は思いっきり伸びをした。
神「あの時いた。へぇー生きてたんだ」
神威は少し楽しそうにしている。
鳳「・・・そうか、貴様が童の雇った浪人」
え?子供に雇われてんの?大人が?
鳳「わしの吉原を好き勝手やってくれたのはぬしか。そして、わしの部下をたらしこんだのも・・・。やってくれたではないか」
銀「好き勝手?冗談よせよ。俺ァ、女の一人も買っちゃいねーし、たらしこんだ覚えもねーよ」
こいつにたらしこまれたの?誰が?・・・・あ、私か。
『旦那、私はこの男を利用してるだけですよ?この吉原にお日様昇らすために・・・ね』
鳳「尻軽な女だな」
『失礼な。私は元からこいつについてたんですよ?騙されたって訳です』
くすくすと笑うと、旦那はニヤリと笑った。
鳳「そうか、ならばこの男と共に血の宴を用意してやろう」
銀「過分な心遣いありがたいが、そいつは遠慮するぜ、なぁ瑠維?」
『そうね、ジジイのV字の生え際見ながら酒飲んでも何にも旨くないだろうしね』
銀「こんな所で酒飲んだって、何にも旨かねェ。男の道楽、吉原桃源郷。たしかに大したもんだ。よくもまァこれだけあちこちから別嬪さん集めてきたもんだよ」
人身売買によって?
銀「だが、どんだけ美女を集めようが、どんだけ美酒を用意しようが、俺ァ、てめーの吉原で酒なんざ、一滴たりとも飲まねェ。鎖で繋がれた女から、酒なんて注がれても、何にも旨かねーんだよ。泣きながら酒なんて注がれても、何にも旨かねーんだよ」
『こいつの場合、ババアだらけの薄汚いスナックでも、悪辣なキャバ嬢がはびこる、ぼったくりバーでも、みんな笑えるならいいんだよ』
あんたはそういう奴よね?銀時
銀「美女も美酒も屋根もねェ野っ原でも、月見て、安っすい酒飲めるなら、俺ァそれでいい」
私は銀時に、紅桜ではないほうの刀を渡した。
銀「女の涙は、酒の肴には辛過ぎらァ」
そう言って、刀を構えた。
鳳「鎖を断ち切りにきたか、この夜王の鎖から日輪を・・・吉原の女達を解き放とうというのか」
銀「そんな大層なモンじゃねェ。俺ァ、ただ旨い酒が飲みてーだけだ。天下の花魁様に、ご立派な笑顔つきで酌してもらいたくてなァ」
すると、いきなり神威が旦那の隣に立った。