第12章 喧嘩は迷惑かけないように (吉原炎上編)
旦那の言った言葉に神威はケラケラと笑い始めた。
神「人が悪いですよ、旦那。第七師団つくったのは旦那でしょ?めんどくさい事全部俺等に押し付けて、自分だけこんな所で、悠々自適に隠居生活なんてズルイですよ」
そのめんどくさい事は、全部阿伏兎が押し付けられて、一番可哀想なのは阿伏兎なんだけどね。まあ、私も押し付けてたけど・・・
鳳「人は老いれば身も魂も渇く。その身を潤すは酒。魂を潤すは女よ」
そしてその女の気持ちになったことがあるんですか?てめーら男は。好きでもない、気持ち悪い男とヤラされるこっちの身になった事がありますか?
なんて言えば機嫌を損ねるのを知っている。だから言わない。
鳳「フッ、若いぬしにはわからぬか」
神「いえ、わかりますよ」
鳳「ほう、しばらく会わぬうちに飯以外の味も覚えたか、ククッ」
旦那は嬉しそうに喉を鳴らした。
鳳「瑠維、お主にはすまぬがここは男の桃源郷。主の相手になるようなものはいない」
『私にはそんなもの必要ありません。それに、好きでもない相手とヤりたいだなんて思わないんです』
鳳「ほう・・・男でも出来たか。まあ、お主の顔と体なら男を落とすなど他愛もないことだろうがな」
『それは知りません。落とすつもりがなくても勝手に男ってのは落ちるもんですから』
うっわ・・・すごい悪女発言しちゃった・・・ごめんなさい。こうでも言わないと旦那はめんどくさいからね。
鳳「男を甘く見るでないぞ?ふった男に刺されたりして、お主は死にそうだからな・・・」
『そんなにたちの悪い男を相手にした覚えはありません』
そう言うと、旦那は満足そうに笑った。そして、神威に向き直る。
鳳「酒でも女でも吉原きっての上玉を用意してやる。言え」
神「じゃあ・・・日輪と、一発ヤラせてください」
神威の答えに旦那は動きを止めた。