第11章 久しぶりに会うと嫌な奴もなつかしい (吉原炎上編)
『なんでこんなとこ通るの?』
私たちが今歩いているのはパイプの上。フードを深く被っているので前が見え辛い。
『滑り落ちそ~』
下を見ながら歩いていると、
阿「姐さんはちょっと待ってな」
阿伏兎はそう言って薄暗い中を歩いて行った。
『え?なんで?』
云「ちょっと旦那の手土産を・・・」
そう言って云業も先に行ってしまった。
『手土産って?』
神威にそう尋ねれば、
神「この町で一番美しい花魁の子供を手土産にするんだ。旦那はその女にひどく入れ込んでるらしくってね。連れていけばサービスしてくれるかな?って」
『・・・神威もそんなことするんだ・・・・戦う事にしか興味がないのかと思ってた』
あ、あとご飯の事もか・・・
神威も大きくなったな~、なんてしみじみしていると、
神「まあね。俺も男だし、抜けるときに抜かないと大変だからネ」
と、いつものニコニコ顔で言った。
『へ~・・・さりげなく下ネタ言ったね』
聞こえてたのかどうかは定かではないが、神威も先に行ってしまった。
『・・・待ってろって言われて素直に待つわけねーだろ』
私も神威の後を追って行った。