第11章 久しぶりに会うと嫌な奴もなつかしい (吉原炎上編)
『は?鳳仙の旦那?』
えらく懐かしい名前が出てきた。私の前に第七師団の団長やってて、今は吉原で隠居生活してたよね・・・
阿「今、旦那は夜王と呼ばれ、旦那も吉原もでかくなりすぎてる」
『だから旦那に裏切られるとまずいって訳ね』
阿「ジジイ共からの命令でな、姐さん連れて、吉原に行けだとよ」
また、めんどくさい事にまきこまれたな・・・
こんなことしてるってばれたら・・・切腹じゃ済まされないよね・・・
阿「まあ、姐さんの勤めてるところがとんでもない所だったから、名目上は誘拐された、の方が都合がいいと思ってな」
『用意周到なこと・・・・・でも、私、女よ?吉原に入れるかな?』
神「これ着てれば問題ないと思うヨ?」
そう言って手渡されたのは大きな黒いマント。ご丁寧にフードまでついている。
『・・・・・ったく、行くこと前提じゃん・・・』
阿「頼むよ姐さん」
神「俺としてはどっちでもいいけどね~」
『はいはいはい・・・・・わかったよ。でもさ、服貸してくれない?さすがに隊服はねぇ・・・』
ほら、ばれるでしょ?と服の裾をつまんだ。
神「俺の服、貸してあげる」
『まあ、サイズは問題ないか・・・・神威って170㎝だったよね?』
神「・・・チビって言いたいの?」
神威の額に青筋が浮かび上がった。だって・・・・小さくない?
『そんだけ食べてるからまだ伸びるでしょ。ほら、早く持ってきて』
そう言って私は神威と阿伏兎を部屋から追い出した。
しばらく経って神威が、自分の普段着(神威のいつも着ている、チャイナ服のような服)を持ってきたのでそれに着替え、さっさと眠った。