第8章 持つべきものは友達
私はかつて、吉原に売られた。
身寄りのない私を幕府の人間が売りさばいたのだ。
そこで待っていたのは、苦しみと絶望。
毎日毎日男どもの相手をさせられた。まだ幼かった私は抵抗することも出来ず、ただその行為を耐え抜くしかなかったのだ。
吉原に売られて2年目、私はある事をした。
自分の体を商品に出来なくしたのだ。自分の手によって・・・
背中に事故を装って、大やけどを負わせたのだ。
今でもその傷は私の背中に残っている。体が大きくなったとはいえ、その大やけどは生死をさまようものだった為、広い範囲にわたって、私の体にひどいやけどの跡が残っている。
やけどを負ってからは、私が吉原に縛られることが少なくなった。つまり、逃げ出すことが容易になったわけだ。
私はある夜、脱走を図った。途中で見つかることもあったが、あらかじめ用意しておいた睡眠ガスのおかげで逃げ出すことに成功したのだ。
だが、私の体はボロボロだった。
そんな時に現れたのが、紛れもない松陽先生だった。
それから、寺小屋で銀時達と共に学び、そして戦ったのだ。