第7章 自分以外の人が気づいてたりもする
何か本当によくわからない。
何がどうなってんのか、頭の中がぐちゃぐちゃで。
そのの夕食はまったく喉を通らなかったし、風呂の時でもぼーっとしていた。
風呂からあがり、自分の部屋でテレビを見ていると、突然ふすまが開いた。
そこに立っていたのはあきらかに不機嫌な顔をしたトシ。
『・・・あのぉ・・・とりあえず、すいません』
わからないから、謝っといた。すると、さらに眉間にしわが寄る。
土「何で俺が不機嫌なのかしらねーだろーが」
はい、知りませんよ。だって、エスパー少女じゃないからね?ほんとわかりませんよ。
何も言っていないのに、勝手に部屋に入ってきてドカッと胡坐をかいてトシは座った。
『・・・私・・・何かしましたっけ?』
今日はちゃんと非番もらってたし、昨日もちゃんと仕事したし、思い当たることといえば・・・キスのこと?
土「・・・刀・・・」
『・・・刀・・・ですか?』
土「俺のやった刀はどうした?」
『・・・折れました・・・ごめんなさい』
そうだ・・・元はと言えばあれはトシの刀。謝らないといけないのにすっかり忘れてた。