第38章 すきやきはみんなで仲良く食べましょう
フフフフ・・・・・・
私に勝とうなんざ百年早いのよ。
落胆した二人を見て見ぬ振りをすると、私は近藤さんに声をかけた。
『近藤さん、お注ぎしましょうか?』
近「ああ、頼む」
よし、これで三人脱落。
残った肉は私のもんじゃァァァァ!!
『要望とかありますか?』
近「俺は、肉多めで」
な・・・・・何だとォォォォ!?
自分の天然キャラを生かして肉を注いでもらうだと!?
上が居た!私のさらに上をいく男がいただと!?
ただのゴリラと見誤ったかァァァ!
『じゃあどうぞ』
近「おお、悪いね。瑠維ちゃんも食べなさい」
『あ、すいませんありがとうございます』
私は自分の分をよそおうとした瞬間、目の前に二つお椀が差し出された。
その方向を見てみると、トシと総悟が・・・・・
土「おかわり、肉多めで」
沖「おかわり、土方さんよりも肉多めで」
お椀を差し出していた。
あ・・・・・・誤ったァァァ!!
注ぎ手にまわることによってさりげなく肉を確保しようとしていた事が仇となったァァァ!!
しかもこのタイミングで肉多めだと!?
なくなるじゃねーか!私の分の肉が!!
土「瑠維、早くしてくれよ」
沖「俺らお腹ぺこぺこなんでさァ」
『わかった。総悟もトシも肉多めね』
だがしか~し・・・・まだあるのだ・・・・
『はい、どうぞ』
土「おお、ありがとう」
沖「すいやせんねェ。あり?そういや瑠維が肉食べる前に無くなりやしたね?」
『ああ、ご心配なく』
私は隣りに置いておいた紙でくるめられたものを広げた。
『実は私も、将軍様にお肉をいただいてたんです』
私はにこやかに笑った。
『松坂牛A5ランク』