第36章 アニキとしての、弟分としての・・・・
土「瑠維・・・・・どうした?顔が気持ち悪いことになってんぞ?」
『俺達のアニキって言ったよね?総悟』
沖「・・・・・あ・・・・・」
総悟はその一言で気付いたようだ。
私は笑ってトシを見つめた。
『私のアニキは近藤さんでも九ちゃんでもないんですが~?』
土「あ・・・・・・・・・」
『でもいいんですよね?アニキの所に』
山「え?どういうことですか?」
ジミーは全然状況が把握できていない。
ジミー?私のアニキは誰でしょうか?
『じゃあ遠慮なく、行かせてもらいますね?アニキ(銀時)の所に』
山「あー!!」
『侍に二言はな~し!!』
私はそのまま走って行った。
が、その前に私は襟首を掴まれた。
『うげ!!』
土「お前なァ・・・・・少しは察してやったらどうだ?あのヤローはメガネ達だけじゃなくお前にも・・・・・」
『わかってる!!だから行くの』
土「・・・・・はぁ?」
『アイツの弱った姿をこの目でおがんでやる』
土「・・・・・・・」
私はトシの手を振り払った。
『嘘で~す。死なれたらヅラや先生に顔向けできないからね。だから行ってあげるの』
そう言い、私は笑った。
するとトシはまだ反論しようとしたが、私がトシの唇に人差し指を当てたせいでそれは阻まれた。
『わかってるよ?心配してくれてるんでしょ?でもね、もう私は誰も失いたくないし、悲しみたくない。もし尾美一が死んでしまったとしても、新八君達には届くと思うから。苦しくても進まないといけない事、悲しくても明日は来る事』
私は笑う。でも、きっと上手く笑えていないだろう。
『大切な人を失ったとしても・・・・・何も変わらずに世界が回ることも・・・・・・』
土「・・・・・・」
『それを教えてくれたのは銀時だったの。ちゃらんぽらんでもやる時はやるからさ』
ね?と首をかしげて見せた。私はトシの唇から指を離した。
土「行ってもいい。でもな・・・・・死ぬんじゃねェぞ?俺だって・・・・・失うのは嫌に決まってる」
『大丈夫、死なないよ?』
じゃあね、と手を振ると、私は銀時達の居るところへ向かった。
大丈夫、死なないよ?
この言葉は嘘じゃない。
でも・・・・・・あなたを護ってなら死んでもいい。
そう考えた事は秘密にしておこう。