第35章 信じるに値する男
屯所に帰ると隊士たちは皆、混乱していた。
それもそのはず、もしかしたら明日、地球が無くなるかもしれないのだ。
『すごいね・・・・・』
土「オイ、てめーらァァァ!!何、怖気づいてやがる!地球が滅ぶ前に贈り物とやらを探し出せばいい話だろーが!」
トシはそんな隊士たちに一喝を入れる。
『・・・・副長もすごいっスね』
土「お前ほどじゃねーよ。俺らの気付く前に行動起こしてる奴なんざ少ねーからな」
トシは大声でまた叫ぶ。
土「屯所前に集まれ!そっから命令を出す!」
その言葉に隊士たちはぞろぞろと屯所から出て行く。
私もその後を追うようにして屯所を出た。
土「いいか、奴ら「火種屋」は戦争自体が目的。法案うんぬんはそれを紛らわすダミーに過ぎねェ・・・・・・・」
と、トシの長い長い演説?が始まる。
私は総悟の隣りでやる気がなさそうに話を聞く。
大体、あの尾美一を倒せるのは銀時くらいのものだ。いくら数で勝負しようとまず殺されるのがオチ。
それにあの男はもう・・・・・・
『機械・・・・・』
土「瑠維、なんか言ったか?」
『・・・・・いや・・・・・』
機械に支配されている。
もう戻ってくる事は出来ないだろう。
近「瑠維ちゃん・・・・もしかして火種屋って・・・・あの男・・・・・」
近藤さんは私の方にそっと耳打ちをしてきた。私は肩を竦め、近藤さんを見る。
『明らかですね。手からビーム出すようなのはほとんどいませんし。それに、銀河剣聖と言えば、一部の間では火種屋だと思われています。まぁ・・・・それに気付かなかった私はよっぽどの平和ボケしてるんでしょうがね』
近藤さんはトシと同じような顔をした。
『策は打ってありますが・・・・・どうなるかは見てのお楽しみってところです』
近「な!?」
『・・・・・私がこの事を決めるのではないんです。この星の命運を握ってるのはあの男・・・・・』
近「男・・・・・?」
私と近藤さんが話している時、屯所の門前に人影が見えた。
その人影は紛れもなくあのバカ男で・・・・・・
『やぁっぱり・・・・・来ると思ってたよ?銀時』
その人影は私の一言に顔を上げた。