第35章 信じるに値する男
そのまま顔だけ私の方に向け、キスをしてくる。
チョコレートが溶けながら口の中に入ってくる。
『ん!?・・・・ちょっ!?前前!!』
私は唇を離した。
土「何か策でもあるのか?」
『はぃ?』
いきなりすぎるトシの質問に私の声は裏返った。
土「お前がそんだけ落ち着きはらう時は大体何か考えてっからな」
私は座席にもたれかかった。
『考えてるし、行動起こしては、いるけど・・・・・正直どうなるかはわかんない』
土「いつになく弱気だな」
『・・・・当り前でしょ?生きるか死ぬかの瀬戸際なんだから・・・・・』
しかもその命運はあの白髪の天パに掛ってんだから・・・・・
土「勝算はあるのか?」
『・・・・神のみぞ知るってところじゃない?』
私はそれだけ言うと、眼を伏せた。
土「・・・・屯所に着いたら起こす」
『そーしてください』
眼を伏せたものの、のうのうと眠る気にはなれなかった。
この地球の命が銀時にかかっている。なんとも頼りない事だ。
でも、きっとあの男ならやってくれる。
そんな考えもある。
いつだってあいつは期待を裏切らない。いい意味でも、悪い意味でもだ。
『・・・・・バーカ・・・・・』
ごめんね、銀時。
あんたにはいつも色んなもの背負わせちゃうね。
土「・・・・誰がバカだ」
『トシじゃなくて自分に言ったの』
トシの小さなつっこみに私は小声で反論した。