第31章 約束は守りましょう
宴会・・・・・みんな騒ぎ、不思議と雰囲気も柔らかいものになっていく。江戸城で宴会は行っている。
私も上様と飲んでいたが・・・・嫌な気がして仕方がなかった。
上様が嫌なわけでは断じてない!
周りから、殺気のような・・・・よくわからないが嫌な感じがするのだ。
茂「ではこれくらいでお開きとしようか」
上様は立ち上がり、そう言う。私は気が付いてなかったが・・・・もう夜中を過ぎていた。
茂「では最後に・・・瑠維殿、一言」
私はそう言われ、立ち上がった。
すると微かに空気が揺れた。殺気がほんの少し濃くなり、春雨の団長格の人間の瞳が揺れた。
私はそこで確信した。
『それにしても・・・・・さすがは春雨ねェ・・・・』
茂「瑠維殿?」
『最初から胡散臭いとはわかってたのよ?私は神威以上に元老にとっては扱いにくい存在。なのに私が提督になることが命じられた。・・・・・・・見事に裏切ってくれたわね・・・』
私は思いっきり神威を睨んだ。
『ねェ?春雨第七師団・・・・いや、春雨が提督・・・・神威殿?』
そう言い終えると、周りのふすまが蹴り破られ、春雨の団員たちが傾れ込んでくる。
『油断してた・・・・まさか神威が裏切るなんて・・・・ま、それほど欲深いってことね』
神威「残念だったね。お芝居は終了。賢い瑠維ならわかるだろう?この人数相手に逆らったって無意味だってこと」
確かに無意味だ。度が過ぎている。全師団の団員が集まっているようだ。
『元老の命令と・・・・神威の権限?』
神威「そうだヨ。残念だね・・・ホントにさ。でも最後に地球を守れてよかったね。ずっと帰りたかったもんね」
『この場で殺すの?それとも・・・・公開処刑?』
神威「公開処刑が元老の御望みだって」
『あっそ・・・・悪趣味ね・・・・あのクソジジイ共・・・・』
公開処刑って・・・・・・一番嫌なパターンじゃない。
『ならさァ・・・・少し時間をくれる?』
神威「どうして?」
『最後くらいホントの話をしてもいいでしょ?銀時は知ってるけど・・・・・』
神威は迷うそぶりを見せるが、すぐに承諾した。
神威「ただし時間は三十分」
これが条件だ。