第30章 いざ開戦!!
『それと・・・・・殺気立つのは止めてもらえる?今井信女殿?』
そう言うと、更に刀が首に食い込む。ほんの少し血が流れた。
信「・・・・・あなたに利用されるのは嫌。それに・・・・こんな所に女一人、ガキ一人で来るなんて・・・・どうかしてる」
神威の方を見ると、微かに殺気立っているのが解る。
キレるのも時間の問題だろう。
信女のその言葉に一斉に他の奴らも立ち上がり、刀を抜く。唯一抜いていないのは真選組のみんなのみ。
私達に刀を向ける、神威はゆっくりと手を上げた。が、私はそれを制する。
『やめなさい、神威。面倒事はごめんよ』
神威「こいつらが先に売ってきた喧嘩だろ?買っても文句は言わせない」
『言わせておけばいいのよ』
神威「ふ~ん・・・・・・」
私は取り囲んでいる奴らに言った。
『さすがは金持ちのボンボン。相手の強さを見極めきれないだなんて・・・・・・よっぽどあそこに居る、猿山の大将達の方がかしこい』
私は顎で、近藤さん達の方を指し示す。
『女一人?私を女だなんて思ってると死ぬわよ?これでも春雨が提督、昔の呼ばれは舞鬼神。一応悪名高いの』
私は紅桜に手をやり、そのまま抜き、周りの刀の刃を全て叩き割る。
「な!?」
「み・・・・見えなかった・・・・」
「こ・・・・この女・・・・・」
次々と声が上がる中、私は神威の方を指さした。
『で、そのガキは、天下の星海坊主を父親に持ち、そしてその父親の片腕を切り落とした恩知らずな夜兎。吉原の牢主であった鳳仙と互角にやり合える強さを持つ男』
その言葉を聞くと、次々に刀を下していく。
『女だ、ガキだ・・・・そんな眼で見てると殺すぞ、貴様ら。生き残りたいなら・・・・・私達を怒らせない事だな』
言い終えると、ほぼ全員が去って行った。
残ったのは真選組と見廻組と松平様だけだ。
神威「姉御・・・・よく耐えたね?腕が疼いてたよ?」
『それはあんたでしょ?喧嘩しに来たわけじゃないのに・・・・・このままだったら確実に皆殺しにしてたでしょうが!』
神威「にしても・・・・・・骨のない連中ばかりだなァ・・・・侍ってのは高杉や姉御みたいなのばかりじゃないんだね?」
『あのねェ・・・・・そんなんだったらとっくにこの国滅んでるって・・・・・』