第29章 カリスマ性は大事
晋「ほぉ・・・・・で、俺の力を借りたいって魂胆か・・・・」
晋助はニヤリと笑った。私は引きつり笑いでこう答える。
『そういうことよ。晋助としても・・・・・あんな似非海賊共に幕府落とされたらたまったもんじゃないでしょ?』
晋「まぁな・・・・・だが一つ、気になることがある」
晋助は言葉を濁すようにそう言った。
『この事には・・・・・私の私情が入っている・・・・でしょ?』
晋「フッ・・・・よくわかってんじゃねぇか」
『確かにこれには私の私情しかない。でもね・・・・・・何かしら恩返しがしたいの。先生と・・・・・みんなと出会わせてくれたから・・・・・』
最後の一言は心にも思っていないことだ。晋助は先生の話題に弱い。そこを突くのだ。我ながらえげつないとは思っているが・・・・・ここまでくると仕方がない。
晋「仕方ねぇ・・・・・・一週間後だな?」
『ありがとう。その際・・・・・幕府の人間や・・・・ヅラ、銀時と手を組むことになるけど・・・・・いい?』
晋「祭りに人が集まるのは当然だ」
『祭りって・・・・・』
晋「誰が参加するんだ?」
意外だ。晋助が興味を示すだなんて・・・・・・
『鬼神、西郷特盛に次郎長の旦那・・・・・・桂に銀時、あとは坂本さんにも協力頼んでる。警察組織も全軍使おうと思ってる・・・・・・・もちろん春雨の団員たちもね?』
晋「次郎長や西郷は春雨の第四師団団長に迷惑かけられたって話を聞いたが・・・・・よく協力してもらえたな」
『色々とね・・・・・』
晋「そうか」
しばらく黙っていると、飯を食べていた神威がひっついてきた。
神「帰ろうよ、姉御。阿伏兎が待ってる」
私は神威をひきはがすと立ちあがった。
『そうね。・・・・晋助・・・・裏切らないでね』
晋「・・・・・・・」
『私・・・・あんたに裏切られると・・・・・ヤバいから・・・さ』
後ろを向いたままそう言い、私達は旅館を後にした。
向かうは母船。一番厄介な奴らを抱き込まないとな。