第28章 団子は地球の文化です!!
追手を引き離すことに専念しながらかぶき町を駆けまわる。
元はこの町の住人、細い裏道や近道程度ならいくらでも知っている。
しばらく走ってると追手の気配が消えた。
少し戻り、様子をうかがうと、私を見失い探しているようだった。
『私を捕まえようなんざ百年早いってーの』
私は呟くと、今度こそ神威の居る甘味所に向かった。
この角を曲がれば着く。と言ったところで私は騒ぎが起こっていることに気が付いた。
人だかりは出来ていないものの、ざわついているのが解る。
私はその角を曲がりきらず、様子を窺うようにして覗き見る。すると・・・・・
『げぇ!!』
一番会いたくない人ランク第一位のトシがいた。
その他にも近藤さんや総悟、ジミーもいた。
『ったくアイツは・・・・面倒事ばかり・・・・?』
私は見知った顔を見つけ、思わず身を乗り出した。
赤いチャイナ服に小柄な体、手には傘を持ち、かわいらしい顔立ちの少女。
『うっわ・・・・・神楽ちゃんかよ』
神威と神楽ちゃんは対立関係にある。
神威自体はなんとも思っていないようだが、神楽ちゃんは違う。神楽ちゃんは昔の神威に戻ってほしいのだ。
神威は殺す気で戦えるが、神楽ちゃんには無理だろう。
『・・・・とりあえず・・・・様子でもみるか・・・』
私はばれないように笠を深くかぶった。