第27章 故郷は何か知らないけど・・・・いいもんだ
茂「・・・・・」
私のその提案に茂々様は黙ってしまう。
『すぐには決められないはずです。今まで対立していた者・・・・・しかも犯罪者と手を組むのです。しかし・・・・・これ以外には道はないはずです。人に頼らず、あなたの意思を聞かせてください』
茂「私の・・・・意思だと?」
私はこくりと頷く。
『あなたの国を思う心・・・・。それを見せてください。己の心で感じ、そして判断するのです。国を・・・・地球を失うか、犯罪者と手を組み護るか。そのどちらかです』
茂「・・・・・時間を・・・・」
『わかっています。一週間後、また来ます。それまでに気持ちを固めておいてください。』
私は背を向け、出口に向かう。が、それは茂々様の一言で引き留められた。
茂「随分と・・・・・変わってしまったな」
私は後ろを振り返り、笑って見せる。
『私は元々こういう性格です。あの時のことは・・・・・全て偽り。信用させるための・・・・ね』
変わってなどいない。
本当はこんなもの・・・・捨て去ってしまいたい。
でも、出来ないのだ。みんなを護るためだから・・・・。
心の底から叫びたい。
こんな自分は偽りだと。あなたの前にいたのが本当の私だと。
どう頑張っても帰ることが許されないのなら・・・・・せめて護りたい。
いくら悪役にまわされても・・・・私は・・・・