第23章 女の執念はおそろしい(一国傾城篇)
眠っていると、牢獄のある建物の扉が開いた。
『んぅ?・・・・まっぶし・・・・』
銀「バカ。もう朝だっての・・・てかもうすぐ夜・・・・」
『うぇ?マジでか』
立ち上がり光の差しこんだ方を見た。すると・・・・
『あっ、近藤さん、トシ!!』
銀「こんな所で会えるなんて奇遇だね!!丁度いい所に来てくれた。ちょっと話があるんだけど」
と銀時と私の二人で、目の前で固まっている人たちに手を振った。すると二人は、黙って扉を閉めた。
『殺すぞ腐れポリ公ォォォ!!』
銀「何ガン無視くれてんだ!!話位きけボケェェ!!」
『てめェェ密告してやろーか。一般人にストーカー行為してるゴリラってよォォォ!!』
銀「皆さーんきいてください!!そのゴリラ、さっきスカした時ちょっと出てます」
『臭ェんだよこのゴリラァァァ!!』
と二人して暴言吐きまくる私達の前に総悟がイスを置いた。
沖「ムダですよ、旦那、瑠維」
澄ました顔でこちらを見つめる。
沖「また何厄介事に顔突っ込んだかしりやせんがねィ。流石に今度ばかりは相手が悪かったようで」
・・・・・私は顔も突っ込んでないけど?指先一本突っ込んでないけど?
沖「誰も罪人の戯言なんざ、耳を貸しませんよ。将軍とモメんのはみんなゴメンですからねィ」
神楽「だったらてめーの耳、ちぎってよこせやァァ!!」
神楽ちゃんが総悟に掴みかかろうと手を伸ばすが、総悟は平気な顔をして音楽を聞き出す。すると今度は、神楽ちゃんが
「パンの耳よこせやコルァァァ!!」
と言う。・・・・何が楽しくてパンの耳なのだろうか?
すると今度は総悟が信女の前で、ドーナツを食べだす。
次は神楽ちゃんのようにはいかず、信女にドーナツを奪い取られた。私もちゃっかし一つもらっておいた。
銀「チッ・・・こうなると入城した時に得物を没収されたのも罠かと勘ぐりたくなるぜ。武器さえありゃこんな事には・・・・」
と銀時が言うので、私は手についたドーナツのカスを舐めながら言った。
『なら没収されて正解ね。下手に抵抗してたら殺されてた。・・・・たとえ白夜叉でもね』
銀「?どういうことだ」
信「あれはただの御徒衆じゃない。腕に見えたあの八尺烏の入墨。天照院「奈落」」
・・・・あの時・・・・松陽先生を連れて行った奴ら・・・・