第22章 今はnow、昔は・・・・・・昔?
高「!?」
驚いている晋助に、私はほほ笑む。
『晋助ェ・・・・私はもう子供じゃないのよ?昔みたいに子供扱いされても困る。それに・・・・道を示して貰わなくとも私は進んで行ける』
少し怒ったような顔になった晋助を無視して私は喋る。
『私は此処が気にいったの。・・・・・それにね、もうこの地球を手放すことはできない。そうするには・・・・・大切なものが・・・・・護りたいものが増え過ぎた』
高「まさかてめぇが、あのバカ共と同じようになるたぁ・・・・てめぇは俺と同じだと思ってたがなぁ」
晋助はそう言うと、踵を返した。
高「・・・・あのアホガキはてめーの事が気にいってるらしい。どんな手を使ってでも連れ戻しに来るだろうな」
私はフッと笑った。
『知ってる。・・・・わざわざ忠告ありがとう』
高「・・・・フン・・・・せいぜい気ィ付けとけや」
『・・・・なんだかんだ言って・・・・過保護だなぁ・・・』
高「何か言ったかぁ?」
『アハハ・・・・いいえ何にもぉ~?』
晋助はそのまま足を止めずに去って行った。
残された私は、その後ろ姿を見つめていた。
『・・・・死なないでね・・・・晋助』
私の声は、泣きそうに儚く空が吸いこんでいく。
苦しい位の胸の痛みを抱え、生きてるのは私だけではないはずだ。
だれもが同じ、悲しい眼をして、それぞれの道を歩いていく。それがたとえ、敵同士になろうとも・・・・・
私達は歩みを止めることはないだろう。
それが私達に課せられた宿命なのだろうか・・・・