第21章 人を利用するのって・・・・楽しいよね(バラガキ編)
銀「生来、ポリ公とは気が合わねェ。真選組(くろ)にも見廻り組(しろ)にも交ざるつもりはねェ」
銀時はいつものように死んだ魚の目をしている。
眼と眉が離れており、まぁ間抜けな顔でもある。
銀「たかが悪ガキ共相手に江戸の二大警察がこぞって情けねェ。身内救う事しか考えてねェ不器用なポリ公に、誰も救おうともしねェ器用なポリ公」
私は後ろから見護る。
その後ろ姿は逞しかった。あのときのように・・・・・
銀「どっちの味方も御免こうむるぜ。俺ァ・・・・いや俺らは、かよわい後輩どもの味方させてもらうとすらァ」
あり?俺らはって・・・・・私も?
・・・・ばれないようにって言ったのになァ・・・・・
銀「てめーらが何も救わねェってんなら、俺ァ罪人だろーと丸ごと救いとってやらァ」
そこで銀時の雰囲気ががらりと変わった。
攘夷浪士たちは身を引いている。
銀「来いよ鬼の副長。まずはてめーからだ」
やっと・・・・見ることができた。ずっとこの時を待ってたんだ。私の口元には自然と笑みが浮かぶ。
銀時は顔をあげ、トシを挑発する。
銀「この攘夷志士、白夜叉の首。とれるもんならとってみやがれい」
その眼は死んだ魚の目なんかじゃなかった。
凛々しく寄った眉に燃えるような瞳。
ニヤリと笑う唇。
私の大好きな表情だ。これが白夜叉。
私とは比べ物にならない威圧感。存在感。
『白夜叉降臨・・・・いや、再臨ってとこね』
私の口からは自然と言葉が紡がれていた。
『待っていたよ・・・・・・お帰り』