第20章 サランラップ・・・・・・え?違うの?(バラガキ編)
近「みんな同じだよ、鉄。ここにいる連中はお前と同じロクでもねェ、はみ出し者や落ちこぼれ・・・・中には英雄と呼ばれた攘夷志士の嬢ちゃんもいる」
近藤さんはそう言って私を見た。
近「それでも・・・・・ちょっとでもマシなモンになろうともがいて、あがいて、はいつくばりながら進んだ先で俺達は出会った」
・・・・・私は元々マシだったけど?
近藤さんは最後に、
近「いつだって茨をゆく、バラガキであれ」
そう言い、その場を後にした。
残ったのは私と鉄だった。
『・・・・誰だって・・・・色んなものを抱えて生きてる』
鉄「・・・・攘夷志士だったのか?」
『昔の話。・・・・今はこの通りよ』
鉄「アンタも・・・・何か抱えてるのか?」
鉄は私にそう尋ねた。
『・・・・私もね・・・大切な人、失ったの』
鉄「!?」
『家族も皆殺しにされて、私のことを助けてくれた・・・・師匠も殺された』
いや・・・・違う。殺されたんじゃない。
『護り切れなかった』
鉄「・・・誰に殺されたんだ?」
『幕府の奴らよ。・・・・だから私は攘夷志士となった。でもね?戦争が終わってみると・・・・・私には何も・・・・何一つ残っていなかったの』