第18章 昔の事を語っている奴は、たいてい寂しい奴だ
『トッシー、トッシー、オタクのトッシー』
私は歩きながらそんな歌を歌っていると、頭に鈍い衝撃が走った。
顔をあげると、般若のような顔で私を見下ろしているトッシー・・・・じゃなくて土方十四郎さまが・・・・
土「俺はトッシーじゃねぇ。あれは妖刀だ」
『私は妖刀に呑まれてヘタレになったりしませ~ん。むしろ暴走しま~す』
土「・・・お前の方がたちが悪いだろ」
とトシはそういいながら、私の頭を撫でた。
『ジミーが呼んでるって聞いたから来たんだけど・・・・』
副長室に入るなり、後ろからがっちりホールドしてきたトシに向かってそう言った。
土「ああ?用がないと呼んじゃいけねーのかよ」
『昼寝してたんだけど?』
土「仕事しろ、仕事」
『部下に抱きついてる上司にそんなこと言われたくありませ~ん!!』
と大声で言うと、このバカ!と口をふさがれた。
土「うるせーんだよ。お前はいちいち」
耳元で囁かれ、背筋にぞわりと悪寒が走る。
私はトシの手に軽く甘噛みをした。すると、案外簡単に手が離れた。ほっとしたのもつかの間、すぐに私の口にトシの口が覆いかぶさる。
激しく荒々しいのに、優しい。そんな矛盾のあるトシのキスは、いつも私を溺れさせる。
が、長いのだ。いつも息がきれてしまい、苦しくなる。
そんな私に気付くと、容易に唇を放す。
土「息上がってんじゃねぇか」
髪を弄びながらそういうトシは、子供みたいでかわいらしい。
『うるさい。ぶぁーか!』
とトシの腕の中で暴れるが、びくともしない。
逆に押さえつけられる。