第17章 復習はお家でやりましょう
『攘夷に参加していた人たち全員をしょっぴくつもりはないですよね?・・・なら、今さら私の過去を掘り返す必要は・・・・・無論ないはずですが?』
言葉を濁した近藤さんに向かって少し笑って見せた。
こうやって人を言い包めることは得意だ。・・・・というより、得意でないと春雨であそこまでの地位に昇り詰めることは不可能だ。
近「・・・・そうだな。だが、舞鬼神という威光に惹かれる攘夷浪士たちも多いはずじゃないのか?・・・・・それに・・・・・舞鬼神といえば、春雨と手を組んでいるという噂が絶えない」
そんな噂が出回ってたんだ・・・・・・。やっぱり人ってのは恐ろしいなぁ・・・・・。
『私の正体を知っている人は、私と共に戦った人しかいません。・・・・・とは言っても、ほとんどの人が殺されていますが・・・・・・』
私はそこで軽く言葉を濁してみせた。
『それと、春雨とは手を組んでいたというよりも・・・・・春雨の団員だった・・・・の方が正しいですがね』
そう言うと、近藤さんは、どういうことだ?と身を乗り出す。
『そのままの意味ですよ。・・・・・て言っても、ただの団員ではなかったですがね』
土「・・・何が言いたい?」
今まで黙って聞いていたトシが口を開いた。
『春雨の雷槍と恐れられる第七師団。その第七師団をそこまで育て上げたのは・・・・・・私です。・・・まぁつまり、私は元・第七師団団長です』
「「!!」」
トシと近藤さんは固まった。・・・そりゃそうだろう。今まで部下だった者が、いきなり極悪組織の幹部だったなんて知れたら・・・・・
『元ですよ!!も・と!今は関係ありません。・・・・というより、この前ご存じのとおり殺されかけたし・・・・』
近「・・・今は関係ないんだね」
『もちろん』
そう言うと、近藤さんは胸をなでおろした。