第17章 復習はお家でやりましょう
永「その眼だ。お前さんはその眼を忘れていただろう?人を斬り、修羅の道を歩んできたお前が、呑気な眼で過ごすことなんざぁ・・・できねぇんだよ」
永松が言い終えたちょうど、サイレンの音が聞こえてきた。
続いて、隊士たちの声も聞こえてくる。
永「おっと・・・・面倒なのが来たな・・・。仕方ねェ決着はまた今度だ。じゃあな舞鬼神さん」
永松はそう言って立ち去ろうとしたが、ぼそりと小声で呟いた。
永「松陽弟子たちはこんなもんか・・・・・期待はずれだな」
その一言は私の逆鱗に触れた。
『まちやがれ!』
大声を出すと、永松は振り返った。
『私は確かに弱い。だからって・・・・・晋助を・・・桂を・・・・私の兄貴たちを・・・バカにするな!』
私はよろよろと力の入らない足を奮い立たせる。
『私を怒らせたこと・・・後悔させてやらぁ』
永「・・・フッ・・・・待っているぞ。舞鬼神・・・いや藤間瑠維」
永松は立ち去って行った。
周りからは隊士たちのざわめく声が聞こえる。その声を聞きながら、私は川に倒れ込んだ。
冷たい水が体にしみる。
私の意識はそこで途切れた。