第16章 喧嘩には仲裁が必要
『あのさ~・・・二人とも私の事無視してケンカしないでくれる?』
銀時をベリッと引き剥がし、私は二人に向き直った。
『まぁ、利用されたことは傷ついたけど・・・・・・気付いてたしね、見て見ぬ振りしてたようなモンだから・・・・』
そう言うと、銀時は、はぁ?という顔になった。
銀「なに?お前知っててここに居たの?」
『うん。楽しかったから別にいいや~ってなってたの』
銀「俺、怒った意味なかったわけ?」
『いや、嬉しかったよ。ありがとね』
微笑むと、銀時は私の髪をくしゃりと撫でた。
銀「ったく・・・・迷惑かけやがって・・・・・」
『アハハ、ごめんって。新八君たち連れて帰ってくれる?後は私が話付けるからさ』
銀「わかった。行く所なくなったら俺ん家こいよ?」
『了解!』
そう言って笑うと、銀時は台所から出て行ってくれた。
残ったのは、私とトシだけ。覚悟していたように、無言が続く。それを最初に打ち破ったのはトシの方だった。
土「・・・・・すまねぇ・・・・」
『はい?』
まさか謝られるとは思ってもみなかった為、可笑しな声になってしまった。
土「最初は、お前ェの言った通りイメージアップのつもりだった。それなりに強い女入れてれば、男くさいイメージも少しは消えるんじゃねぇかって・・・・・」
『ごめんなさいねぇ、それなりに強くなくてぇ』
私は顔で判断されるのが一番嫌いだ。女だからってバカにしてくる。私は軽く頬を膨らませた。
土「そうだな。蓋開けて見りゃぁとんだじゃじゃ馬娘だったからな。手のかかるバカ強ぇ女だった」
しかも、元攘夷志士で、春雨の第七師団団長ですよ~・・・・・
なんて知ったらどうなるんだろ?