第16章 喧嘩には仲裁が必要
『まぁね~』
私はとぼけたような声を出した。
土「仕事ふやされるわ、バカやらかすわで、余計仕事が増えやがる」
だってわざと増やしてるからさ~当り前だよね~。
土「絶対ェ女作らねぇ自信あったのによぉ、それさえもブッ壊しやがって・・・・」
『それって、私に惚れたトシが悪いんじゃない?』
私のせいにされても逆に困るわ!!
土「・・・・まぁ・・・そうだな」
うえ!?謝らないでよ!?怖いよ怖いよ!?頭どうかしたのかな?精神科に連れて行かないと・・・・・
土「こんだけ惚れさせておいて、すぐ無茶するし、目ェ放した隙にどっかに行きやがる。・・・・・今までで一番扱い辛い女だ」
『すいませんねぇ・・・・・』
苛立ちよりも恥ずかしさの方が勝ち、私はそっぽを向いてしまった。
土「瑠維・・・・」
『なっ!?』
後ろからギュッと抱きしめられる。煙草の匂いが鼻につく。
土「実を言うと、すっげぇ心配した。仕事も手につかなかったし、煙草の量も倍近くになった・・・・・」
『お、鬼の副長さんがそんなことでうろたえたらいけないでしょ・・・・』
どもったァァァ!てか、この状況で憎まれ口叩くって・・・・私どういう根性してんのォォォ!?
土「うっせぇな・・・・・そんだけ心配したって事だ」
『・・・・・・・』
何て言えばいいの!?てか心臓持たない!やばいやばいやばいやばい!!!!!
土「瑠維・・・・」
『んっ・・・・』
啄ばむような口づけが施される。それはすぐに深いものに変わる。何度も深く角度を変えられながらのキスは、私の心からケンカの事など忘れさせる。
土「・・・無事でよかった・・・・」
『うん・・・・心配かけてごめんね?』
土「そうだな・・・・・この分は体で払ってもらうからな?」
『はい?』
トシはニヤリと妖艶に笑うと、私を横抱きにした。そのまま大股で廊下を進む。
『ちょっと待って!!何する気ィ!?』
土「さぁな」
『誰かァァァァ!助けてェェェェ!』
私の声はむなしく空に消えて行った・・・・・・・。