第14章 生きるも生かすも・・・あなた次第です。 (吉原炎上編)
『日輪・・・さん?』
百華の女達に抱えられながら、鳳仙の旦那の隣に腰掛けた。
そして、旦那の頭を自身の膝に乗せた。
鳳「・・・ひ、日輪」
旦那は日輪さんの陽に気が付いたのだろう。ゆっくりと目を開け、そして絞り出すような声を出した。
日「やっと見せてあげられた。ずっと見せてあげたかった。この空を、あなたに」
日輪さんは眩しそうに太陽を見上げた。
日「言ったでしょ。きっとお日様と仲直りさせてあげるって」
その一言に、旦那は目を見開いた。覚えていたのか・・・というように・・・
日「私・・・知ってたのよずっと。どんなにエバリくさったって、どんなにヒドイ事したって、あなたは夜王なんて大層なものじゃないってこと位」
そして、愛おしそうに旦那に手を置く。
日「あなたはただ、こうしたかったのよね。こうして日向で、居眠りしたかっただけの、普通のおじいちゃんなのよね」
日「ただ・・・それだけなのに。なのに・・・こんなバカげた街まで創って。みんなを敵に回して」
日輪さんの瞳から大粒の涙が流れ落ち、旦那の渇きを癒していく。
日「バカな人。本当に、」
日「バカな男」