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【デュラララ!】これ、落としたぜ?

第3章 あいつのために


顔を見合わせた双子が次に発した言葉は、

「静雄さんがカニカン?
カニの缶詰?それとも金具?」
だった

俺は呆れたように髪をわしゃわしゃしながら、
「そう、カニカンだ。金属の方の。」
と答える

「何に使うの?」

「まぁな、ストラップ壊しちまってな」

「へぇ〜、静雄さんがストラップ?」

こちらを見てくるのは、何かを疑うような九瑠璃の目だった

「な、なんだ、変か?」

俺のじゃないということを説明するために、
ストラップを落とした女のことを咄嗟に話しそうになった

俺は忘れかけていた…

こいつらが仇敵、折原臨也の妹だってことを…

「お前らの兄貴には、絶対言うんじゃねえぞ?」

「了…」
「うんうん」

俺は声のトーンを落とし、周りに聞こえないように話し始めた

「これ、女もんなんだ」

「なんとまぁ…静雄さんったら…」
「觉…醒………(目覚めてしまわれたのですね)」

「おい、なんか勘違いしてねぇか?」

トムさんとヴァローナに相談した時と同じように、一通り説明した

そして、小さいクマのぬいぐるみをストラップにするという計画も。

双子はその話にかなり聞き入ってくれた

「というわけでだな、カニカンを探してんだ」

この言葉に対して口を開いたのは、九瑠璃の方だった

「案…(いいこと思いついた)」
「だよね!!」

素早く反応を示す舞流。
こいつら、本当にただの双子か?
考えてることが全く同じなのか?

「なんだ?」

「ただカニカンを付けるだけじゃなんだし、
もっと可愛くしてあげようよ!」

おいおい、本当にノミ蟲の妹か…?
すげぇいい奴…

「我……行……(私たちもついていく)」

なんか、なんとも言えねぇぜ……


その後もしばらくベンチで話をし、
双子には近くの自販機でコーラララを買ってやった

「静雄さんはその人に一目惚れしたの?」

と聞かれたことに対する返事に困って俺は席を立った

双子は、やけにニヤニヤしていた

そして店に向かうことになり、双子が誘導する方について行く

……手芸の店だった……

店の中はとにかく布やらビーズやら毛糸やらで溢れかえっていて…

女が多かった…

というより、女しかいなかった

その大半は俺がこんなところにいることに驚いて、こっちをチラチラ見てた

無駄な緊張だ、まったく……


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