第6章 ありえませんよ
クラスメイトたちは、各自種目選択をし、私もバレーのところで手を挙げた。
「…フッ」
…征十郎、今笑ったわね。
そしてあの人を馬鹿にした目。
「(悪かったわね、運動音痴で)」
私が機嫌も損ねている間に、HRは終了。
放課後となった。
「華澄ちゃん、希望通りバレー選択なれたやん。良かったなぁ」
「何も良くないわよ」
鞄の中に明日提出の課題などを詰め込んでいると、成美ちゃんは笑いながら私の元へやってくる。
「うちが教えたろか、バレー」
「どうせ補欠要員だからいいわ」
「そーゆーわけにはいかへんで!」
「「?」」
二人で話していたはずが、第三者の声が混じり、私と成美ちゃんは思わず振り返る。
そこにはクラス委員の田中さん。
「赤司君から藍川さんも試合に出すよう言われてんねやから、出てもらいまっせ!」
「は?征十郎が?」
何考えてるのよ、あいつは。