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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第6章 ありえませんよ



うーん…何かいいアイディアはないかしら…。

…あ。


「そうだわ。この際隠すことは止めない?」

「何を言ってるんだ。話が違うだろう」


私の提案に、征十郎は眉を顰めて訝しげに私を見た。


「そうじゃないわよ。黛さんを普通の選手に見せるのよ」


私が考えた案はこうだ。

テツ君という前例がある以上、変に隠しては怪しまれるだけであり、そんな怪しげな情報をさっちゃんが逃すわけはない。

ならばそれを逆手にとって、黛さんを一般の選手として見せることで、周囲の警戒を解こうではないか。

それに洛山には五将の三人と征十郎がいる。

まず間違いなく、偵察組はこの四人をマークするだろう。

洛山のスタメンはこの四人と、その時々で変わる平凡な選手、としておくことで、黛さんがマークされることはなくなるわけ。


「どう?いいアイディアじゃないかしら?」


私が考えたこの案を伝えれば、征十郎は先程とは打って変わって嬉しそうな表情を見せる。


「面白い」


私の案に満足した征十郎は、もう十分に確認したのか、データファイルを持って席を立つ。


「細かいことは華澄に任せるよ」

「人使いが粗いわね」

「人聞きの悪いことを言うな、お前の仕事だ。それと、今度の資格試験は落ちるなんてヘマはしないように」

「一々口うるさいわね。私が落ちるわけないでしょう」

「ならばいい」


そう言うと、征十郎はノートを部室へ返すべく、教室を出て行った。

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