第5章 尽くすだけ
「気を抜いたとこで負けるわけもなーしな。赤司もそう言ってんだ」
永ちゃんの言う通り、予選は通って当然。
さらに今日は初戦なわけで、負けるなどまずありえない。
「(なんて言いつつも、結局は征十郎が言ったからそうしてるだけじゃないのかしら?)」
前を歩いてゆく洛山一行の背中を見つめながら、私はそう思った。
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いくら主力は温存、とはいっても、マネージャーの私にはそんなことが関係あるはずもなく、通常通りにベンチの準備を行う。
メンバーの変更も特にないようなので、そのままメンバー表を提出した。