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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第5章 尽くすだけ



だが、私の本当の用件はここから。


「黛さん、右手を出してください」

「!」


このゴールデンウィークの間に相当な練習をしたのだろう。

六人目としてのパス練習は、手首に負担が掛かりやすい。

それも、これまでは一般の選手としてプレイしてきた黛さんなら尚更。

普段は使わないようなところを使うのだから、練習を始めたばかりの頃というのは、どうしても痛みを感じてしまうもの。


「手首痛めたんでしょう?昼休みの間だけで構いませんので冷やしますよ」

「…わかるのか?」

「私を誰だと思ってるんですか?」


観念した黛さんは、本を左手に持ち替えて、右手を私に差し出した。


「(…やりにくいわね)」


黛さんの左側にいた私にそんな態勢で右手を出されてもやり辛い。

とりあえず本は一旦閉じなさいよ。

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