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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第5章 尽くすだけ



それを少々嫌そうな顔ではあるが口へ運び、私は感想を待つ。


「…いいんじゃないか?」

「本当ですか?」


黛さんが素直に「美味しい」なんて言うなど、端から思っていない。

彼の言う「いいんじゃないか」という感想は、私の中では「美味しい」に変換される。


「ああ。だが、上に乗せてるレモンが少し苦い」

「ふーん…どれどれ?」


この時、私は初めて自分の作ったこのケーキの味見をした。

横にいる黛さんとチラッとだけ見れば、「お前は食っていなかったのか」「これじゃ本当に毒見じゃねーか」とでも言いたげな顔をしていたが、気にしない。


「…本当だわ。また作り直しね」

「用はそれだけか」

「いいえ。もう一つあります」


毒見まがいなことをさせられ、機嫌が悪くなった黛さんは、私を早くこの場から追い出そうと急かす。

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