第5章 尽くすだけ

「現在大ちゃんは相変わらず練習には出ていないようですが、『キセキの世代』エースの名は伊達ではありません。練習をサボったところで彼の実力は衰えるどころか、日々成長していきます。それにテツ君のパスを一番受けていたのは彼です。パスも通らないでしょうし、火神大我の跳躍力もそう長く持つとも考えにくいですね。それに桐皇にはさっちゃんという諜報員がいますし、大ちゃん以外のスタメン全員のレベルも高いです。間違いなく誠凛は桐皇には負けます」

「それでも一回負けたくらい…他の試合で勝てばＩＨよ？」

「テツヤは結構引きずる性分なんだ」


レオ姉の問いに征十郎が答える。

そう、テツ君は大ちゃんとの試合に負けた後、必ずそれを引きずってしまい、それはプレイにも響いてくる。

中学時代もそんなことが何度もあった。


「そうなのね…」

「とりあえず、ざっとこんなものです」


まだノートの方には詳しく分析をしているが、それはまた後々ミーティングで見てもらうことにしましょう。