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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第5章 尽くすだけ



私の推測を理解したのか、征十郎は口角を上げて嬉しそうな顔をした。


「(…黄瀬が征十郎を楽しませれるなんて思わないけどね)」


そう思ったが、その言葉は飲み込んで、私はページをめくった。


「次に真ちゃんの秀徳高校です。秀徳は…そうですね、IHは無理だと思います」

「なっ」

「どういうことなの?だって秀徳は…」


私が言えば、当然の如くレオ姉たちは困惑の表情を浮かべる。

ただ一人征十郎だけが、早く続けろとでも言わんばかりに涼しい顔で見ていた。


「レオ姉の言いたいことはわかります。秀徳は『歴戦の王者』と呼ばれるほどです。元々インサイドが強かったのですが、今年はそれに加えてアウトサイドに得点源のSG、真ちゃんがいます。彼は中学時代よりレベルが上がり、シュート範囲はコート内全てになっていました。さらには同じ一年生PGの高尾和成、彼はおそらく広い視野を持つ『鷹の目』を持っています」

「だったら、何で…」

「しかし、その得点源の真ちゃんが仇になります。今や秀徳のエースは真ちゃんです。まず間違いなくボールは真ちゃんを中心に回ります。しかし、IH予選で当たる誠凛のエースとの相性が悪いんですよ」

「誠凛?木吉の?」


征十郎以外の三人は意味が分からない、と眉間に皺を寄せて私を見た。

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