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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第4章 ごめんね



それでも…。

さっちゃんではなく私を選んでくれたのは、少しでも私のことを想ってくれてるんじゃないか、って思ってたのに。

そのほんの少しの希望も打ち砕かれた。

わかっていたとしても、彼の口から聞くだけでこんなにも苦しいなんて思いもしなかった。


「…っと、危ねーな」


角を曲がろうとした時、こちらへ向かっていた人物にぶつかりそうになって、私は漸く止まった。


「走んなよ、危ねーだろ…って藍川?」


顔をあげればそこに立っていたのは黛さん。

黛さんは顔をあげた私の顔を覗き込んで、珍しく心配そうな表情を浮かべた。


「お前、泣いてんのか?」

「え?」


黛さんに言われて、私は自分の頬を触った。

手に冷たく、濡れた感触が伝わる。


「な、何言ってるんですか。私が泣くわけないでしょう?気のせいですよ」


その手に伝わった冷たい感覚を拭い、いつもの笑顔を張り付けた。


「ふーん…ま、俺には関係ねーけど」


ここで会ったのが黛さんで良かった。

彼以外の人であったならば、何があったのか尋問されていたに違いない。

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