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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第4章 ごめんね



征十郎はただ事実を答えているだけなのに、私は何だか悲しくなって俯いてしまう。


「でもさぁ、やっぱ好きなんじゃねーの?じゃないとわざわざ連れてこないっしょ」

「小太郎、いい加減にしなさいよ」


私がここにいることを知らないコタちゃんは、そんな質問を征十郎に投げつけていた。


「(…ダメ。聞いてはいけない)」


どことなく、頭から危険信号が発せられる。

征十郎はまだ答えてはいないというのに、私はその答えを知っている気がした。


「気にするな、玲央。そうだね…簡潔に言えば、僕は華澄に好意は抱いていない」


ああ、やっぱり。

好きだって自覚した時からわかってたことじゃない。

この気持ちは一方通行だって。


居た堪れなくなって、道具は後で樋口先輩と一緒に取りに来よう、とその場を離れようと部室のドアに背を向けた時。



「…強いて言えば、彼女は僕の道具だ」


征十郎の声がクリアに聞こえた。

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