第4章 ごめんね
「華澄!」
優ちゃんが呼び止める声に振り返ることも立ち止まることもできない。
「私、待ってるよ!ずっと、華澄が全部話してくれるまで、嫌いになったりしないから!待ってる!」
私は…こんなに優しい彼女をどこまで傷つければ気が済むんだろう。
いっその事嫌いだ、って言ってくれれば楽になれるのに。
「それと、元バスケ部の灰崎祥吾君のことだけど!またバスケ始めたんだって!学校は静岡の福田総合!…また、何か情報掴んだら連絡する!」
それだけ言うと、後ろの方から優ちゃんの足音が聞こえてきて、それは段々と遠ざかって行った。
「…私、何やってるのかしら。…ごめんね、優ちゃん」
もう見えなくなった彼女の姿に振り返り、私は小さく呟いた。