第4章 ごめんね
バレてしまう、なんてことはつい忘れて、私は窓に張り付いて彼を見た。
「(嘘でしょう?マグレ?)」
だが、何回観ていても先程より確実に伸びており、一瞬にして彼は成長していた。
確かに、彼の体はまだまだ伸びしろが窺える。
でも、こんな…一瞬で?
「(ふーん…。火神大我、なかなか面白い人ね…。それでも…)」
IHは無理だろう。
私は確信した。
都内には真ちゃんと大ちゃんがいる。
その二人を倒してIHに出場するなど考えにくい。
特に大ちゃんはテツ君がパスを出していた張本人。
彼の手の内をまるっきり知っている大ちゃんに勝てるなど、無理だろう。
いくら火神大我が『キセキの世代』の彼らと並ぶほどまで成長したところで、彼らには勝てない。
「(勝てるとしたら…テツ君が変わった時、かしら)」
私はそっとその場を離れ、次の偵察先の秀徳高校へ向かった。