第4章 ごめんね
「結局、あなたは彼を利用しているだけじゃない…」
自分ひとりで彼らに立ち向かうことはできない。
それでも彼らに勝つためには、自分の立てる”光”が必要だった。
そして、ちょうど目ぼしい彼を見つけた。ただそれだけ。
「(他人の目は誤魔化せても、私の目は誤魔化せないのよ)」
そんな心構えで彼らを倒せるとでも思っているのだろうか。
倒してほしい。
でもあの時と同じ目をしたままのテツ君には倒されたくない。
「(…ああ、こんなことを思うなんて私らしくない。今日は何だか調子が狂うわね。もう次へ移動しようかしら)」
そう思ってその場から離れようとした時。
私は目を見張った。
先程見た時より、火神大我のジャンプ力が上がっていたのだ。