第4章 ごめんね
…うん。
確かに体格もいいし、バスケセンスはこの中ではずば抜けているわ。
でも…まだまだ彼らには遠く及ばない。
「(…えぇ?黄瀬ってば、こんなとこに負けたの?嘘ぉ…)」
レオ姉から聞いた話では、誠凛には『無冠の五将』のうちの一人、木吉鉄平がいるらしい。
しかし、彼は去年のIH予選の決勝リーグ前に膝を負傷してしまい、現在リハビリ中だという。
「(木吉鉄平がいて負けた、と言うならわかるけど…嘘でしょう?信じられないわ…)」
そしてよーく目を凝らして探せば、もう一人の大本命、テツ君の姿も発見。
彼は相変わらずパスに特化したままで、そのパスは主に火神大我の手に渡る。
その様子は、まるで随分前の大ちゃんとテツ君のようで、私の表情は少し曇る。
「(…何だか、期待外れもいいとこね。あなたは…何も変わってない)」
そりゃ、中学時代と比べれば楽しそうにバスケをしている。
でも、その目は『キセキの世代』の彼ら、そのもの。