• テキストサイズ

青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第20章 側にいたい




私はその様子を微笑ましく見つつ、ふと、北棟の屋上を見上げた。


「?」


一瞬だけ。

去りゆく影が見えた気がした。

その影が誰かなんてわからなかったが、間違いなく黛さんだと思う。

そう信じたい。


「華澄、急に立ち止まってどうしたんだい?」


誰もいない屋上に笑みを浮かべていると、征十郎が声を掛ける。


「いいえ、なんでもないわ」


私は目の前の四人…レオ姉、コタちゃん、永ちゃん…そして征十郎に微笑んだ。




沢山のあやまちを犯した。

沢山の人を傷つけ、自分自身も沢山傷ついた。

だからこそ見つけられた…得ることができた私の居場所。

大丈夫。

私はここでもう一度、青春を歩いてゆける。


…彼らと共に。



まだ肌寒い春の風が私の額の傷跡を優しく撫でる。

その風を受けて、私は微笑みながら待つ、四人の元へ駆け出した。


/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp