第20章 側にいたい
いや、元々黙ってるつもりだったのよ?
それでも流石に悪いと思って、私は咄嗟に謝った。
「昨日、虹村さんからも連絡があったんだ。『俺が言っても聞かないから、止めてくれ』とね」
「修ちゃん…」
あーぁ…もう私ってば、色んな人に迷惑かけちゃったわ…。
私が項垂れていると、征十郎が突然立ち止まった。
それにつられて私も立ち止まる。
「華澄…頼みがあるんだ」
「頼み…?」
真剣な表情。
私の瞳を真っ直ぐに見つめる征十郎。
「俺の側にいてくれ。俺から離れるな」
その言葉に私は目を見開く。